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シーン4 - V.A..lrc

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[00:00.30]「おお、ここだ。席を確認してくる」
[00:06.00]
[00:06.50]「ふむぅ、『お好み焼き、もんじゃ焼きよしえ』か……」
[00:11.10]「この暖簾見る限りじゃ、よしえさんがやってる店なんだろうな」
[00:14.70]
[00:15.20]「これで他の人がやってたらびっくりだね」
[00:18.50]
[00:19.00]「悪いな手間をかけて」
[00:20.60]「んーん、全然」
[00:22.00]
[00:22.50]「あ、もう先に誰かいるみたいだね」
[00:25.20]「とりあえず、私たちも入りましょうか」
[00:28.30]「そうですね!」
[00:29.60]
[00:31.10]「はーい、雪乃ちゃん」
[00:32.80]
[00:33.50]「……なぜここに姉さんがいるのかしら?」
[00:36.20]「静ちゃんにお呼ばれしちゃった。えへへ」
[00:39.20]「……」
[00:42.50]
[00:43.00]「そ、そんな嫌そうな顔しないでよ。傷つくなぁ、もう。
[00:48.60]せっかくのお祭りなんだし、今日くらいは仲良し姉妹でいない?」
[00:52.80]「今日くらい、ね」
[00:54.60]
[00:55.80]「ええ、今日くらい」
[00:59.00]
[00:59.50]「まぁ、いいでしょう……」
[01:00.70]
[01:01.20]「あ、陽乃さん」
[01:03.60]「ガハマちゃん、やっはろー!」
[01:05.50]
[01:06.10]「や、やっはろーです」
[01:08.00]「それ敬語のつもりなのか……」
[01:09.50]
[01:09.80]「比企谷くんも、やっはろー」
[01:12.30]「どーも」
[01:13.20]
[01:13.80]「ちゃんとお話しするの初めてですね!兄がいつもお世話になってます、
[01:18.70]妹の小町です。こちらは戸塚さんと中二さんです」
[01:22.60]「あらあらまぁまぁ、雪乃ちゃんがいつもお世話になってます。姉の陽乃です」
[01:27.70]
[01:28.20]「こ、こんにちは……」
[01:29.60]「はい、こんにちは。雪乃ちゃんと仲良くしてあげてね」
[01:32.70]
[01:33.20]「ぶるぁ!お初にお目にかかる。
[01:36.20]我が名は剣豪将軍、材木座義輝である、控えおるう!」
[01:41.10]
[01:41.60]「あは、すごい個性的で面白いね♪話してて楽しそう」
[01:46.30]
[01:46.80]「る、るふんるふん!よ、よるしくお願いするであります!」
[01:51.00]
[01:51.50]「お前の姉ちゃん、ほんと外面、完璧だな……。
[01:54.80]材木座相手にあの対応はなかなかできないぞ」
[01:58.00]「まったくね。我が姉ながら感心するわ」
[02:01.30]
[02:01.80]「は、はははは八幡!た、大変だ!ついに、ついに、
[02:06.50]どうしよもない我に天使が降りてきたぞ!ちゃうん!?これ、フラグとちゃうん!?」
[02:11.00]「待て落ち着け、材木座。いいか、今のを現代語訳するとだな……。
[02:17.00]『変でキモい。会話をするのが限界でそれ以上はムリ☆キモい』って意味だぞ」
[02:21.00]
[02:21.50]「なに?貴様。
[02:24.30]まるでソロモンの指輪でも持っているかのような完璧な翻訳ではないか。
[02:28.80]それが貴様のソロモン流か?」
[02:31.10]「いや、別に特殊能力じゃないから。
[02:33.60]俺やお前が中学のとき、さんざん勘違いしてきた例のアレだ、いい加減学べ」
[02:39.20]
[02:39.70]「それにしても、陽乃さん、雪乃さんのお姉さんなだけあって超美人ですね……。
[02:45.00]っは!新たな嫁候補!やるなー、お兄ちゃん」
[02:48.00]「何がだよ」
[02:48.70]
[02:49.20]「どんどん小町のお姉さん候補が増えてるよ!
[02:52.00]他にもほら、あのー、大志君のお姉さんの……川……川ぁ……、川なんとかさん、とか」
[03:00.20]「そこは覚えててやれよ……」
[03:01.50]
[03:02.00]「とにかく小町的にはお姉さん候補が増えるのはとてもいいことです。
[03:06.70]陽乃さんのこともお姉ちゃんとお呼びしたい気分です!」
[03:09.80]「比企谷くん、この子面白いね!二人目の妹かぁ。
[03:16.60]はぁ~かぁいいなぁ、小町ちゃん。お持ち帰り~♪」
[03:21.30]
[03:24.20]「おうふ、なんだかとてもふくよかで幸せな気分に……」
[03:27.60]「はいそこ、うちの妹に手を出すのはやめていただけますか」
[03:31.50]
[03:32.00]「おっと、じゃあ……比企谷くんに手を出すのはいいのかな?」
[03:36.20]
[03:36.70]「手の出し方によります。殴る蹴る的な意味なら断りですよ。
[03:41.00]俺を殴っていいのは平塚先生だけなので」
[03:44.00]「そこは甘んじて受け入れているのね……」
[03:46.30]
[03:46.80]「いやぁ、さすがの捻くれ方だなぁ、感心しちゃうね」
[03:51.00]
[03:51.50]「おお、みんな陽乃とは挨拶を済ませたかな?
[03:55.60]今日は奥の座敷を使わせてもらえるよう話をつけてきたから、存分に楽しむといい。
[04:01.00]まずは乾杯からかな。席に着きたまえ」
[04:04.60]
[04:09.10]「では、文化祭の成功を祝して、」
[04:13.00]「かんっぱーい!」
[04:16.30]
[04:25.40]
[04:25.80]もんじゃ焼き。
[04:27.20]それはお値段が手頃なわりに、長い時間食べていられ、
[04:32.00]かつ多彩なトッピングを加えて自分の手で作り上げる楽しさまであるという高校生に好まれやすい食事である、
[04:40.30]……たぶん。高校生の趣味はよく知らないけど。
[04:45.00]作り方はいたって簡単。まずは具を炒め、その具材で土手を作る。
[04:51.20]この土手のことを一部の業界ではDTと略す。
[04:55.50]そのDTのど真ん中へ生地を流し込み、ぐつぐついってきたらかき混ぜ、しばし待つ。
[05:03.00]見た目は決して美しいとはいえないが、その外見とは裏腹に非常に美味なる食べものだ。
[05:10.00]我々はこのもんじゃ焼きから学ぶべきことがたくさんある。
[05:13.80]例えば、人を見た目で判断してはいけないとか、ライトノベルをタイトルだけで判断してはいけないとか、
[05:22.00]あとは……あとは特にないな、うん。
[05:27.60]
[05:33.30]
[05:33.80]「そろそろよさそうだね」
[05:35.50]「お、そうだな。では、いただくろしよう」
[05:38.20]
[05:38.70]「なにこれ!?うまっ!なにこれっ!見た目のわりに超うまい!」
[05:43.10]「おい、見た目とか言うな。まじまじ見ると食べる気なくしちゃうだろうが」
[05:47.70]
[05:48.20]「あら、比企谷くん、食があまり進んでいなそうだね。しょうがない。
[05:54.30]お姉さんが手伝ってあげよう。はい、あーん」
[05:58.00]
[05:58.50]「いや、あの、自分のペースで食べたいので結構です」
[06:02.00]「まぁまぁ、いいじゃない。
[06:03.85]比企谷くん、頑張ってたんだし、これくらいはしてあげもいいと思うよ。
[06:08.70]はい、比企谷くん、あーん」
[06:12.30]
[06:12.80]「姉さん。その男を甘やかすとろくなことがないからやめなさい」
[06:17.50]「そ、そうです。あ、あの、そういうのは、そのちょっと……」
[06:21.50]
[06:22.00]「ありゃ、ガハマちゃんも入ってくるか。ほほう……。これはちょっと楽しくなってきたねぇ」
[06:28.90]
[06:29.40]「ほほう、確かに小町的にも面白い展開ですね」
[06:33.70]「そんな感じ全然しないんですけど……。なんかぎすぎすしてるよ、このデーブル」
[06:40.10]
[06:40.60]陽乃さんと小町。この組み合わせ危険なんじゃないだろうか。
[06:45.80]二人合わせて二○○○万パウーズ。だが、黒と黒が混ざっても、黒にしかならねぇよ……。
[06:54.20]ジンの兄貴の言うとおりだな、まったく……。
[07:01.70]
[07:02.20]「しかし、打ち上げってこれでいいのか……、もんじゃ食ってるだけだけど……」
[07:07.10]
[07:07.60]「え、ど、どうだろ……」
[07:10.20]「具体的に何をすればいいのかしらね」
[07:12.90]
[07:13.40]「後夜祭は何やってたんだ?」
[07:14.70]
[07:15.20]「えー?なんかね、ライブハウスでやってて……みんな適当にノリノリでアゲアゲな感じ?」
[07:22.20]「実質ノーヒントだったぞ、お前の説明」
[07:24.50]
[07:25.00]「文化祭でライブをやっていた人たちのステージがあったわね」
[07:28.60]「あと、DJやってる人もいたからダンスもあったよ」
[07:32.00]
[07:32.50]「ふぅん、行かなくてよかった……」
[07:35.50]
[07:36.00]「うんうん、健全でよろしい。大人になると、打ち上げっていうとお酒の席になってきちゃうからね」
[07:43.20]「そういうもんですか」
[07:44.30]
[07:44.80]「ああ、ご挨拶回りでお酒をついで、誰かのグラスが空けばそっと追加のドリンクを注文する」
[07:51.80]「うわぁ、疲れそう」
[07:53.30]
[07:53.80]「何、嫌なことばかりでもないさ。ビンゴ大会やプレゼント抽選会もあったりするしな」
[07:59.30]「ビンゴ!」
[08:00.00]
[08:00.60]「そこだけ聞くと結構楽しそうなんだよね~」
[08:03.50]「景品もらえるなら出てもいい気します!」
[08:06.10]
[08:06.60]「でも、運営する側に回ると地獄でな……」
[08:09.90]「え」
[08:10.10]
[08:10.60]「あ、ハイボールください」
[08:15.00]
[08:15.50]「ます、下っ端のやることが受付とクローク。怒涛の勢いでやってくる招待客を捌く捌く。
[08:23.20]こちたの手際が悪いと、カウンター前に人が溜まってこれがすごいプレッシャーなんだ。
[08:28.80]そして、ようやく捌ききった、くつろげるかなーと思ったら、パーティー中は荷物番だ。
[08:35.60]途中で帰る人もいるしな。で、荷物番から解放される頃には、もう宴も高輪プリンスホテル、
[08:43.60]なんつって。あ、ハイボールお代わりお願いします」
[08:47.70]「す、すごい勢いで飲んでる……」
[08:49.80]
[08:50.30]「で、さらに」
[08:51.00]「まだ続くのかよ……」
[08:51.90]
[08:52.20]「当たり前だ。さらに、帰り客の荷物を捌く。
[08:56.80]そして、荷物が見つからないとか預けてないとかいろいろ問題が起こり、
[09:00.80]終わったと思ったら、今度は二次会の会場押さえに走り、
[09:04.00]果ては偉い人の帰りのタクシーを拾い、完全撤収かと思いきや、
[09:07.80]持ち主の現れない落とし物を未来永劫、延々預かり続けることになるんだ……。
[09:15.50]あ、すいません、ハイボール追加で」
[09:17.50]
[09:18.00]「静ちゃん、飲みすぎだよ?」
[09:19.80]「全部ただの愚痴だったわね……」
[09:21.50]
[09:22.00]「まぁ、愚痴くらい言わせてやろうぜ。普段なかなか言えないんだろうしさ」
[09:26.60]「お、なんか妙に悟ってる」
[09:28.80]
[09:29.30]こんなときくらいは言いたくもなるのだろう。
[09:32.20]大抵は愚痴をこぼしゃあ二言目には
[09:35.20]『辛いのはお前だけじゃない』の常套句が返ってくる。
[09:39.10]なんでみんなが辛いからって俺まで辛い思いを強要されなきゃいけないの?
[09:44.40]どういう因果関係なの、それ?
[09:48.30]
[09:48.80]「はぁー、君たちは明日休みだが、私、仕事あるんだよなぁ……」
[09:57.70]「ちょっとやさぐれすぎでしょこの人……」
[09:59.50]
[10:00.00]「よし、じゃああれやるか」
[10:02.00]「どれですか」
[10:03.20]「上司や先輩に言われて嫌だった言葉ベスト3のコーナー!」
[10:07.70]
[10:08.20]「やりませんよ、やりませんからね」
[10:10.20]
[10:10.70]「では、第三位の発表です」
[10:12.80]「意地でもやる気なのね……」
[10:14.50]
[10:15.00]「第三位!『メモとってないってことは全部わかってるってことだよね?』」
[10:22.60]
[10:23.10]「あ……あたし、バイトしてるとき言われたころある……」
[10:27.40]「そういや、俺もバイト先で言われたことあるな。
[10:31.00]しかも、それでこっちが完璧にこなすと何故かさらに不機嫌になるんだぜアレ……」
[10:36.50]
[10:37.00]「第二位 『明日、話があるので時間ください』」
[10:43.10]
[10:43.60]「言い方が丁寧なのが逆に怖いね……」
[10:46.60]「気になって一日仕事にならなそう……」
[10:49.60]「そのうえ、明確な時間指定も内容も言ってこないのがね……」
[10:53.90]
[10:54.40]「これは言われると本当に結構きついから注意するように。
[10:59.10]明日、仕事行くのやめちゃおっかな、と夜中に悩むことになるぞ。
[11:04.50]はぁ、本当に明日どうしよう……」
[11:07.50]
[11:08.00]「今日言われちゃったんですね……」
[11:09.30]
[11:09.80]「禁止!リアリティ禁止!悲しくなるから!」
[11:13.20]「ははは。こんなの大したことないさ。さて、皆お待ちかね、第一位の発表だ」
[11:19.90]
[11:20.40]「さらに上があるのかよ……、もういいよ!辛いよ……」
[11:25.10]「誰も待っていないのだけれど……」
[11:26.75]
[11:27.25]「第一位 『わからないことがあったら聞いてって言ったよね?』
[11:34.00]『チッ、それくらい自分で考えてほしかったんだけどななぁ……』
[11:39.75]『ねぇ、なんで俺に聞かないで勝手にやっちゃうの?』 の無限ループ」
[11:45.70]
[11:46.20]「どう行動しても詰んでるじゃねぇかそれ……、なに、この世界のバグなの?」
[11:52.00]「逃れようのない究極三段活用!これが天地魔闘の構えか……」
[11:58.70]
[11:59.20]「まぁ、世の中って理不尽にできてるものだから、仕方ないね」
[12:05.80]「働きたくねぇなぁ……」
[12:09.00]
文本歌词
「おお、ここだ。席を確認してくる」
「ふむぅ、『お好み焼き、もんじゃ焼きよしえ』か……」
「この暖簾見る限りじゃ、よしえさんがやってる店なんだろうな」
「これで他の人がやってたらびっくりだね」
「悪いな手間をかけて」
「んーん、全然」
「あ、もう先に誰かいるみたいだね」
「とりあえず、私たちも入りましょうか」
「そうですね!」
「はーい、雪乃ちゃん」
「……なぜここに姉さんがいるのかしら?」
「静ちゃんにお呼ばれしちゃった。えへへ」
「……」
「そ、そんな嫌そうな顔しないでよ。傷つくなぁ、もう。
せっかくのお祭りなんだし、今日くらいは仲良し姉妹でいない?」
「今日くらい、ね」
「ええ、今日くらい」
「まぁ、いいでしょう……」
「あ、陽乃さん」
「ガハマちゃん、やっはろー!」
「や、やっはろーです」
「それ敬語のつもりなのか……」
「比企谷くんも、やっはろー」
「どーも」
「ちゃんとお話しするの初めてですね!兄がいつもお世話になってます、
妹の小町です。こちらは戸塚さんと中二さんです」
「あらあらまぁまぁ、雪乃ちゃんがいつもお世話になってます。姉の陽乃です」
「こ、こんにちは……」
「はい、こんにちは。雪乃ちゃんと仲良くしてあげてね」
「ぶるぁ!お初にお目にかかる。
我が名は剣豪将軍、材木座義輝である、控えおるう!」
「あは、すごい個性的で面白いね♪話してて楽しそう」
「る、るふんるふん!よ、よるしくお願いするであります!」
「お前の姉ちゃん、ほんと外面、完璧だな……。
材木座相手にあの対応はなかなかできないぞ」
「まったくね。我が姉ながら感心するわ」
「は、はははは八幡!た、大変だ!ついに、ついに、
どうしよもない我に天使が降りてきたぞ!ちゃうん!?これ、フラグとちゃうん!?」
「待て落ち着け、材木座。いいか、今のを現代語訳するとだな……。
『変でキモい。会話をするのが限界でそれ以上はムリ☆キモい』って意味だぞ」
「なに?貴様。
まるでソロモンの指輪でも持っているかのような完璧な翻訳ではないか。
それが貴様のソロモン流か?」
「いや、別に特殊能力じゃないから。
俺やお前が中学のとき、さんざん勘違いしてきた例のアレだ、いい加減学べ」
「それにしても、陽乃さん、雪乃さんのお姉さんなだけあって超美人ですね……。
っは!新たな嫁候補!やるなー、お兄ちゃん」
「何がだよ」
「どんどん小町のお姉さん候補が増えてるよ!
他にもほら、あのー、大志君のお姉さんの……川……川ぁ……、川なんとかさん、とか」
「そこは覚えててやれよ……」
「とにかく小町的にはお姉さん候補が増えるのはとてもいいことです。
陽乃さんのこともお姉ちゃんとお呼びしたい気分です!」
「比企谷くん、この子面白いね!二人目の妹かぁ。
はぁ~かぁいいなぁ、小町ちゃん。お持ち帰り~♪」
「おうふ、なんだかとてもふくよかで幸せな気分に……」
「はいそこ、うちの妹に手を出すのはやめていただけますか」
「おっと、じゃあ……比企谷くんに手を出すのはいいのかな?」
「手の出し方によります。殴る蹴る的な意味なら断りですよ。
俺を殴っていいのは平塚先生だけなので」
「そこは甘んじて受け入れているのね……」
「いやぁ、さすがの捻くれ方だなぁ、感心しちゃうね」
「おお、みんな陽乃とは挨拶を済ませたかな?
今日は奥の座敷を使わせてもらえるよう話をつけてきたから、存分に楽しむといい。
まずは乾杯からかな。席に着きたまえ」
「では、文化祭の成功を祝して、」
「かんっぱーい!」

もんじゃ焼き。
それはお値段が手頃なわりに、長い時間食べていられ、
かつ多彩なトッピングを加えて自分の手で作り上げる楽しさまであるという高校生に好まれやすい食事である、
……たぶん。高校生の趣味はよく知らないけど。
作り方はいたって簡単。まずは具を炒め、その具材で土手を作る。
この土手のことを一部の業界ではDTと略す。
そのDTのど真ん中へ生地を流し込み、ぐつぐついってきたらかき混ぜ、しばし待つ。
見た目は決して美しいとはいえないが、その外見とは裏腹に非常に美味なる食べものだ。
我々はこのもんじゃ焼きから学ぶべきことがたくさんある。
例えば、人を見た目で判断してはいけないとか、ライトノベルをタイトルだけで判断してはいけないとか、
あとは……あとは特にないな、うん。

「そろそろよさそうだね」
「お、そうだな。では、いただくろしよう」
「なにこれ!?うまっ!なにこれっ!見た目のわりに超うまい!」
「おい、見た目とか言うな。まじまじ見ると食べる気なくしちゃうだろうが」
「あら、比企谷くん、食があまり進んでいなそうだね。しょうがない。
お姉さんが手伝ってあげよう。はい、あーん」
「いや、あの、自分のペースで食べたいので結構です」
「まぁまぁ、いいじゃない。
比企谷くん、頑張ってたんだし、これくらいはしてあげもいいと思うよ。
はい、比企谷くん、あーん」
「姉さん。その男を甘やかすとろくなことがないからやめなさい」
「そ、そうです。あ、あの、そういうのは、そのちょっと……」
「ありゃ、ガハマちゃんも入ってくるか。ほほう……。これはちょっと楽しくなってきたねぇ」
「ほほう、確かに小町的にも面白い展開ですね」
「そんな感じ全然しないんですけど……。なんかぎすぎすしてるよ、このデーブル」
陽乃さんと小町。この組み合わせ危険なんじゃないだろうか。
二人合わせて二○○○万パウーズ。だが、黒と黒が混ざっても、黒にしかならねぇよ……。
ジンの兄貴の言うとおりだな、まったく……。
「しかし、打ち上げってこれでいいのか……、もんじゃ食ってるだけだけど……」
「え、ど、どうだろ……」
「具体的に何をすればいいのかしらね」
「後夜祭は何やってたんだ?」
「えー?なんかね、ライブハウスでやってて……みんな適当にノリノリでアゲアゲな感じ?」
「実質ノーヒントだったぞ、お前の説明」
「文化祭でライブをやっていた人たちのステージがあったわね」
「あと、DJやってる人もいたからダンスもあったよ」
「ふぅん、行かなくてよかった……」
「うんうん、健全でよろしい。大人になると、打ち上げっていうとお酒の席になってきちゃうからね」
「そういうもんですか」
「ああ、ご挨拶回りでお酒をついで、誰かのグラスが空けばそっと追加のドリンクを注文する」
「うわぁ、疲れそう」
「何、嫌なことばかりでもないさ。ビンゴ大会やプレゼント抽選会もあったりするしな」
「ビンゴ!」
「そこだけ聞くと結構楽しそうなんだよね~」
「景品もらえるなら出てもいい気します!」
「でも、運営する側に回ると地獄でな……」
「え」
「あ、ハイボールください」
「ます、下っ端のやることが受付とクローク。怒涛の勢いでやってくる招待客を捌く捌く。
こちたの手際が悪いと、カウンター前に人が溜まってこれがすごいプレッシャーなんだ。
そして、ようやく捌ききった、くつろげるかなーと思ったら、パーティー中は荷物番だ。
途中で帰る人もいるしな。で、荷物番から解放される頃には、もう宴も高輪プリンスホテル、
なんつって。あ、ハイボールお代わりお願いします」
「す、すごい勢いで飲んでる……」
「で、さらに」
「まだ続くのかよ……」
「当たり前だ。さらに、帰り客の荷物を捌く。
そして、荷物が見つからないとか預けてないとかいろいろ問題が起こり、
終わったと思ったら、今度は二次会の会場押さえに走り、
果ては偉い人の帰りのタクシーを拾い、完全撤収かと思いきや、
持ち主の現れない落とし物を未来永劫、延々預かり続けることになるんだ……。
あ、すいません、ハイボール追加で」
「静ちゃん、飲みすぎだよ?」
「全部ただの愚痴だったわね……」
「まぁ、愚痴くらい言わせてやろうぜ。普段なかなか言えないんだろうしさ」
「お、なんか妙に悟ってる」
こんなときくらいは言いたくもなるのだろう。
大抵は愚痴をこぼしゃあ二言目には
『辛いのはお前だけじゃない』の常套句が返ってくる。
なんでみんなが辛いからって俺まで辛い思いを強要されなきゃいけないの?
どういう因果関係なの、それ?
「はぁー、君たちは明日休みだが、私、仕事あるんだよなぁ……」
「ちょっとやさぐれすぎでしょこの人……」
「よし、じゃああれやるか」
「どれですか」
「上司や先輩に言われて嫌だった言葉ベスト3のコーナー!」
「やりませんよ、やりませんからね」
「では、第三位の発表です」
「意地でもやる気なのね……」
「第三位!『メモとってないってことは全部わかってるってことだよね?』」
「あ……あたし、バイトしてるとき言われたころある……」
「そういや、俺もバイト先で言われたことあるな。
しかも、それでこっちが完璧にこなすと何故かさらに不機嫌になるんだぜアレ……」
「第二位 『明日、話があるので時間ください』」
「言い方が丁寧なのが逆に怖いね……」
「気になって一日仕事にならなそう……」
「そのうえ、明確な時間指定も内容も言ってこないのがね……」
「これは言われると本当に結構きついから注意するように。
明日、仕事行くのやめちゃおっかな、と夜中に悩むことになるぞ。
はぁ、本当に明日どうしよう……」
「今日言われちゃったんですね……」
「禁止!リアリティ禁止!悲しくなるから!」
「ははは。こんなの大したことないさ。さて、皆お待ちかね、第一位の発表だ」
「さらに上があるのかよ……、もういいよ!辛いよ……」
「誰も待っていないのだけれど……」
「第一位 『わからないことがあったら聞いてって言ったよね?』
『チッ、それくらい自分で考えてほしかったんだけどななぁ……』
『ねぇ、なんで俺に聞かないで勝手にやっちゃうの?』 の無限ループ」
「どう行動しても詰んでるじゃねぇかそれ……、なに、この世界のバグなの?」
「逃れようのない究極三段活用!これが天地魔闘の構えか……」
「まぁ、世の中って理不尽にできてるものだから、仕方ないね」
「働きたくねぇなぁ……」